「集合と位相」をなぜ学ぶのか ―数学の基礎として根づくまでの歴史(藤田 博司)

以前にも位相の理解しにくさはルベーグ積分の理解しにくさと似ていると書いた気がするが、ネットをぱらぱら検索していると、どちらも理系で学んだけれど結局わからなかったけれどでも問題なかった、ということを書いている人たちがいる。

位相が出てくる導入部までの議論はたぶん大体理解できたと思う。集合の話も自分で証明せよと言われても困ってしまうが、おおよそついていけていると思う。その後の距離空間や、近傍、閉包、開集合、閉集合のあたりまではまったくわからない、ということはない。ただ、以前に書いたコンパクトな集合については、この本にも証明があるけれど、なんだかいまいちすっきりしない。でも有界な閉区間閉集合がコンパクト、というのは定義を含めてなんとなくはわかった。
ところが、そうした話が一段落して、さて集合Xの部分集合族Oが以下の二つの条件を満たすとき、OをXの位相という、となると途端に頭の中が真っ白になる。なんや、これ。
で、今のところは理解が進んだようには思えない。
本書を読めば何かわかるかと思い、確かに連結空間の話が位相と関係しそうだな、とか、RとR2は濃度は一緒だけれど、位相(構造)が違うと言えるので違うものだ、とかそのあたりはわかった気がしたけれど、実はこの本では上の位相の定義が出てこない。
逆に測度が出てきて、やっぱりつながっていると思うものの、そこのつながりももう一つだし、全般的に証明などがすごく親切なわけではないので、ざーっと流し読みできる本ではない。

ということでいつまでたっても位相、そして測度の話は理解できそうにないのである。