SIMフリースマホの選択肢が増えてきた。値段のレンジも非常に広く、2万円を切るものから高いものは10万円を超えるものまで…選択肢が増えて消費者の勝利!と書きたいところだが、実際はどっこいそうはいかない。というのは、本来SIMフリースマホはキャリアとは切り離して買うことができて、キャリアはキャリアで格安のところと組み合わせることができるところがおいしいところなのだ。ところが、性能の割には安いSIMフリースマホは大手キャリアで囲い込んでしまい、店頭でスマホだけ購入できる形を阻止している。したがって、値段の割にはこれいいじゃない!というのは必ずキャリアに縛り付けでしか買えない、というちっとも消費者の選択肢が広がっていない状態になっているのである。例えば、今年3月頃に、たまたまHUAWEIのHonor 9をどういうわけか探し当て、その驚異のコストパフォーマンスに狂喜して購入した。どうして皆がこれを買わないか、というくらい性能が高い割には安い価格だったのである。そして今、とある理由でもう一台購入しようかと思ってネットで探してみるともはやキャリア縛り無しでは買えないことになっていることがわかった。さらにその後継であるHonor 10も性能を考えるとぶっちぎりで安いのだが、なかなか日本で発売されない。おそらく現在キャリア同士の激しい争奪戦に巻き込まれているのではないかと想像される。ま、確かにdumb pipeと呼ばれる、要するにキャリアなんてデータを流す土管の役割をしておけばよいのだ、ということになると利益が出るところがなくなって尻すぼみになってしまうかもしれないという危惧が理解できないわけではない。でもそのために消費者の選択肢を狭めてしまうのでは消費者無視と言われても仕方がないだろう。
そこでSIMフリーのもうひとつの入手手段として海外からグローバルモデルを個人輸入するというものがある。選択肢はいきなりぐっと広がり、値段と性能を見合わせながら自分が最も気に入ったものを購入できる。ところが、ここで、技適をとっていない製品を日本で使うと違法になる、ということで牽制をかけてくる論調の輩がたくさんいる。確かに得体のしれないメーカーの得体のしれない製品から出る電波を信用しろ、というのは無理筋だろう。しかし、一方では技適を取るだけの実力を持った大手メーカーの製品もたくさんあるわけで、それらが全部怪しいというのか。総務省も増える観光客への姑息な対応として6ヶ月までは認めるけれど、それ以上はダメと賜る。でもよく考えてみると、延べで見てみた場合、6ヶ月どころか年単位を超えてそうした製品がしかも毎日何十万と許可されているわけで論理的に破綻しているのは明白である。結局こうした規制がまかり通るのは、上と同様にキャリアの都合だろう。要するに自分たちがその分け前に預かれない製品の流通をなんとか阻止しよう、というそういうこと以外にはないのだ。
あー、長すぎる文章を書いてしまった。