読書をば

している。といっても高尚なものを読むことはない。大体がミステリか、SF。最近の異世界転生ものがSFかどうか微妙だけれど、そういうものも含む。

その中で何を読むかは結構偶発的に決まる。最近はめったに寄らなくなったが、ふらりと本屋に入って手に取ってみたものが面白そうだから、というのも当然ある。ここ数年はKindle Unlimitedにまだ加入したままなので、たまたま目に入って面白そうと思ったものをダウンロードして読むことも時々あり。

Kindle Unlimitedの悪い点は以前にも書いたが、あまりにもゴミが多いということ。でも以前に文句を垂れたときに比べれば改善している印象もある。いい点は読み始めてつまらないと思えば何の躊躇もなくやめてライブラリから削除できること。面白いのでは、と思って代金を払った本の場合、よっぽどつまらないということがなければもったいなくて最後まで読んでしまう。でもこのときは時間が無駄になる。

さて、「落下する緑 永見緋太郎の事件簿 (田中 啓文・創元推理文庫)」というのが目に入り、しかも★が4.5個。これは面白いに違いないと読み始めたのだが、確かに全く面白くない、ということはないのだけれど、ジャズマニアじゃないとついていけない感じがして2話で中断。

次に、「密室の鎮魂歌(岸田るり子創元推理文庫)」。これは最後まで読み切った。なかなか面白い。最後の最後まで誰が犯人か、密室がどのように構成されていたのか、いれずみの謎など全く分からなかった。ちょっとツッコミどころがあるとすれば、骸骨をきちんと座らせるには骨と骨とを相当ちゃんと結びつけないといけないのだけれど、登場人物にはこだわりがあるはずなのにそのあたりの描写がない。たぶん多くの人は骨自体で体の構造が支えられていると漠然と誤解しているように自分は思っているのだけれど、実際には骨と骨とをつなぐ強靱な靭帯があって初めて骨が体全体を形作るのだ。でも靭帯もたんぱく質なので遺体が腐敗すれば当然無くなる。あと司法解剖は病院でやるんだっけ?調べてみると原則大学の法医学教室で行う、ということのようだ。

 

そういえば、上の二冊もそうだけれど、芸術に絡んだミステリを読むことが最近何回かあった。似鳥鶏の「彼女の色に届くまで(角川文庫)」もそう。物語をよいと思ったときにネタバレせずにどう説明すれば良いのか分からないので、どういう話かはAmazonの説明書きを読んでもらうしかないが、個人的にはこれも結構よい話だった。