FrontierのFRNS710/D NSシリーズ 13.3型

Frontierの「FRNS710/D NSシリーズ 13.3型フルHD液晶搭載」が現時点ではもう売れ切れてしまっているが、入手した人から借りて触ってみた。
まず驚くのはぱっと見の質感である。スペックからすると割安に感じられるので筐体はチープかと思いきや、そうではない。まず、薄いし、リッドを開けてもアルミ仕上げでかちっとしたデザインになっている。一昔前であれば十分ハイエンドとして売られていたものに匹敵すると感じられる。これはMouseProの13.3インチノートPCとは対照的だ。あれはプラスチック筐体が本当にチープな感じで、まあスペックはよいけれどそれ以外は思いっきりコストを削減しているな、ということが感じられる。
本機で唯一、現代的でないと感じるのはベゼルが大きくてやや不格好なことであろうか。

ただ使い始めるといろいろと気になることがある。
まずはタッチパッドのクリックバーの反応が鈍い。これは頻用するものなので是非気持ちよくクリックできればよかった。
次にキーボードのエンターキー横のカッコ入力キーがやたらに大きく、エンターキーを押そうとして間違ってこれらのキーを押してしまう確率が高い。慣れの問題ではあるが。
後はキーボードの打鍵感が全体的に曖昧でもう一つ長時間入力をしようという気にはならない。

ということで、ぱっと見は豪華だけれどそれなりにチープな作りのノートPCということになるだろう。それでも値段の割にはいいものを買えた、というある程度の満足感は得られるに違いない。

それにしても、キーボードやタッチパッドなど大昔から使われていて、今となっては大きさに対応した最適解があるはずなのに、未だに多くの会社がびしっと使いやすいタッチパッド、キーボードを確実に作れないのは何故だろうか。往々にして一番コストカットの最初の対象になってしまうからだろうか。そうであれば実に悲しいことである。

ところで、同じCPU(Core i7-8550U)を載せたDELLのInspiron 7370をいじっていて、どうもFrontierのこのマシンに対してきびきび動くような気がした。しかし、感覚はあてにならないのでベンチマークで比較してみることにした。HDBENCHといういささか古いベンチマークテストで比較したところ、驚いたことに全体で33:25とFrontierはDellの約77%のパフォーマンスしか出せないことが分かった。主な原因は浮動小数点計算およびストレージの書き込みの点数が低いことにあるが、後者はパーツの問題として前者はおそらく耐熱設計の問題で、CPU throttlingが発生したためではないかと疑われる。

というわけで、ぱっと見ではノートPCの良しあしなどわからない、という話で落ち着くのかもしれない。いや、Inspiron7370はぱっと見でもいいからなんともいえないか。